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太陽光発電を賢く活かす

知っておきたいこと、予期せぬトラブル対策

適正な発電量を知ろう
発電量の記録が大切、将来の宝  1日1回は発電チェックを

我が家の太陽光発電がどのくらい発電するのか知っておくことが大切です。日本には四季がありますので、季節や天候によって発電量はどう変わるのか、発電量の違いを把握していればとても安心です。そのためにも設置者自身が実発電量を継続して記録することが重要です。 毎日記録することが理想的ですが、そこまではなかなかできないかもしれません。せめて月ごとの発電量は記録しましょう。

それから、1日1回は発電モニター等を見て、エラー表示は出ていないか、パワーコンディショナ―は停止していないか、正常に発電できているか確認しましょう。また、販社からシミュレーションの提示を受けていたら比較してみましょう。乖離するようであれば販社に問い合わせることも必要です。

自立運転とは
災害などで長期停電、いざというときのために操作を確認しよう!
使える電力に制約があることを知っておこう!

太陽光発電のメリットのひとつに災害などで停電したときに、発電した電気を利用できる自立運転機能があります。太陽光発電システムは、通常は電力会社と系統連系(自動的に売り買いできる)よう設定されています。そのため停電になり主電源が切れてしまうと異常を感知し、太陽光発電自体が停止し機能しなくなるわけです。

ただ、太陽の光がモジュールに照射されている間は、屋根の上では電気がつくられつづけています。そしてこの電気を専用コンセントから取り出して利用する機能が自立運転機能というものです。ほとんどの太陽光発電システムに備わっている機能ですが、ない場合もありますので確認をしておきましょう。機能は限定されますがあると便利で安心できますので、操作の仕方を取扱説明書で覚えておくことをおすすめします。

東日本大震災や東電福島第一原発事故による停電、その後の計画停電時には、多くの太陽光発電設置者がメーカー等へ自立運転のやり方について問い合わせをされたそうです。
操作方法を理解していれば落ち着いて行動できます。ラジオ、テレビで情報を得る。携帯電話を充電し 家族同士や親戚と連絡をとる。冷蔵庫で薬や食料品をダメにせず保管する。赤ちゃんやお年寄り、障 害のある方に欠かせな電動製品を稼働させる。ポットでお湯を沸かし、炊飯ジャーでご飯を炊く。

どんなに晴天でも 使える上限は1500W

ただし、自立コンセントには使える容量に限度があります。1500Wが上限になります。エアコンや電子レンジなど大電力を要するものは起動しないか、動作が不安定になります。また、発電が少ないときは当然1500Wは使えません。 天候が不安定なときは、出力される電気も不安定になり機器の故障につながるので、状況に応じて機器を使い分けましょう。

では実際に太陽光発電の自立運転機能を使う場合の手順です。

機種によって違いがありますが、運転切替スイッチを自立運転に切替えることでこの機能が使えるようになります。このスイッチは、電力モニターやパワーコンディショナーの横、またはパワーコンディショナ―の中に設置されています。そして自立運転時に使用できる専用のコンセットが設置されています。専用コンセントは大体3パターンに分けられます。どこにあるのか探しておきましょう。

1.室内用パワコンの場合、本体の右側に自立コンセントがあることが多い

パワーコンディショナーは高所に設置されている場合が多く、そこから取り出すわけですから、電工ドラムや延長コードを備えておきましょう。

室内用パワコン

2.パワコンとは別の場所に自立コンセントがある場合

電力モニターの下や横、パワーコンディショナーの下、廊下の足元や壁など、通常のコンセントと同じものが取付けられているケースです。 コンセントの色を変えたり、シールで表記されている場合が多いので探してみてください。
やはり電工ドラムや延長コードを備えておくと便利でしょう。

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3.自立コンセントがない場合

現行の量産品は配線工事をすれば自立コンセントを設置することができるのがほとんどです。
導入時にこのオプションを加えていない場合は付いていません。販売店・工事店に相談し自立コンセントの増設ができるか相談してみてください。

復習しますと、パワーコンディショナーから直接取り出す電気は、日射量により出力が変動するため不安定な電力となる。 したがって電力供給の変動により、損傷する恐れのある機器や使用上問題がある機器(バッテリーのないPC・メモリー機能のある機器等)への接続はしないということが望ましい。

また生命の維持に関わる機器への接続は厳禁とされています。この点も注意してください。
最大1.5kWまでしか電力供給 はできないということ、日射量の低下により発電電力量が低下した場合には、100V/15A以内の製品でも使用できないことを認識しておく必要があります。また自立運転機能を使ってラジオやテレビを接続し、遠くの放送局からの弱い電波を受信する場合は音声や画面にノイズが入る場合があります。

自立運転機能が使えることで、災害停電で完全に電気を失ってしまう不便さや不安は多少解消されるわけですが、機能としては非常に限定的なものであるということは理解しておかなければなりません。

なお、安全のために太陽光発電用のブレーカは切っておきましょう。もし、パワコンの安全装置が故障していると、電力系統に高電圧が発生する可能性があるからです。また、停電が復旧したら太陽光発電ブレーカを入れ、運転切替スイッチを元の連係運転に戻しましょう。これを忘れていると発電しても使うことも売電することもできません。

メンテナンスフリーはホント?
パワーコンディショナは10年前後がメンテナンス時期になる

太陽光発電はメンテナンスフリーといわれていますが、一番故障をするのがパワーコンディショナーです。パワーコンディショナーは太陽光パネルで発電した直流の電気を交流に変換して家庭で使える交流の電気にしてくれる装置ですが、一般的にはメーカー保証は10年で、そこから5年後までの間にメンテナンスが必要になると言われています。また中にはラッキーなことに(?)保証期間中に不具合を起こす場合もあるようです。いずれにしてもパワコンだけは注意しておかなければなりません。

保証期間後に不具合が出て、簡単な修理で済むのならいいのですが、万一交換となると20〜30万円程かかります。あまり嬉しくない話ですが、導入後10年を超えたら、パワーコンディショナ―のメンテナンスコストがかかることを想定しておいた方が良さそうです。

太陽光関係の書類はまとめて保管を

保証書・取扱説明書・中電契約書・販社店資料(シミュレーション、配置図、見積書)などは、まとめてわかるところに保管しましょう。
補償内容については、災害はどの範囲で適応されるのか、保証金額の上限など確認しましょう。有償保険に加入している場合、定期点検(3〜4年に1回)がセットになっています。忘れられていたら連絡をしてみましょう。

太陽光発電はエコではない?
エネルギーペイバックタイム

太陽光発電システムの製造時には確かにエネルギーを消費しています。当然、輸送や販売、設置、最終的な破棄の段階でもエネルギーを消費しています。 しかしながら、製造・販売・破棄において使用するエネルギー量が発電するエネルギー量を上回ることはありません。

エネルギーペイバックタイム(EPT)と呼ばれる指標があります。これは、製造〜破棄に至るまでに使用するエネルギーを何年の運用でペイすることができるのか?というものです。
これによると太陽光発電システムのエネルギーペイバックタイムは次のとおりです。

単結晶シリコン太陽電池:3.01年
多結晶シリコン太陽電池:2.2年
HIT太陽電池:2.42年
※産業技術総合研究所 太陽光発電のエネルギー収支より。

上記の試算はリサイクルを積極的に行わない場合、かつ現状の技術による場合ですので、将来の生産量増加による製造コスト減少、積極的なリサイクルなどは計算上除外されています。今後の技術発展も考えるとエネルギーペイバックタイム(EPT)は益々短縮化されるものと考えられます。

エネルギーペイバックタイム  環境ビジネス用語辞典

エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time :EPT)とは、エネルギー生産設備の性能を示す指標の一つ。特定のエネルギー設備に対して、直接的・間接的に投入したエネルギーを、その設備が生み出すエネルギーによって回収できるまでの運転期間のこと。発電所、省エネ設備などのライフサイクルアセスメント(LCA)に用いられる。 風力発電や太陽光発電などのようなクリーンエネルギーの生産設備やハイブリッドカーなどのエコカーに対する環境評価にも用いられ、製造によるCo2の発生量をクリーンエネルギーの生産によるCo2の削減により何年で回収可能かを計算するなどに用いられる。

セルバイパスダイオードはどんな役割をするセル・モジュール(太陽電池パネル)

セルは10p〜15p程度の大きさで、これが何枚も直列(および並列)につながれてモジュールが出来上がっています。 このセルをつなげているのが電極で、発電された電気は集められてここを通って流れていきます。(セルの写真に見える2本の線がそうです)
今は、この電極をバックシート側にし、発電効率やデザイン性を高めているタイプもあります。

ホットスポット現象とはどうして起きるのでしょう

太陽光発電システムの「パネル(モジュール部)」には駆動部分というものが存在しないので基本的にホットスポット現象により破損した太陽電池モジュールはメンテナンスフリーです。しかしながら、ハンダ不良といった製造不具合や落ち葉の付着などによって「ホットスポット現象」と呼ばれる問題が起こることがあります。

ホットスポット現象とは何らかの物体(落ち葉、鳥のフンなど)が太陽電池の表面に付着して完全な影となった場合、その部分が発熱してしまいそれによってセル(パネルの一部分)が破損してしまうという現象です。影になると書きましたが、短期間の影であればさほど問題が無いのですが、それが長期化するとホットスポット現象によってセルが破損してしまうことがあります。

異常モジュールのサーモグラフィー画像なぜ、発熱するかというと太陽光発電システムはパネルを直列に接続しているため、発電を行わないセル(パネル)にも発電した電気が流れます。この時、影になったセル(パネル)は抵抗体となってしまうので、そこを電気が通る際に「熱」を発生させてしまうのです。

ホットスポット現象は、影になった部分が発電しないだけでなく、抵抗となってエネルギーを消費し発電量も低下させます。
(非発電パネルが抵抗体となって、他のセル(パネル)が発電した電力を消費してしまうため)。

ちなみに、最近の機種には「バイパスダイオード」と呼ばれるものがついています。
これは太陽電池と並列に接続されており、影になって発電をしないセル(パネル)がある場合、電気をダイオードの方向にバイパスすことで、影となったセル(パネル)を保護し、システム全体の発電量低下も予防します。

右の写真は、赤い部分が発熱していることを示しています。この状態が長期間続くと次のように破損してしまいます。

ホットスポット現象により破損した太陽電池モジュール

破損した太陽電池モジュール

このケースでは、はっきりとした原因が分かりませんが状況から判断すると次のとおりです。

  • 隣接するグランドから硬球が飛来しパネルにあたり、強化ガラスおよびセルを破損。
  • 電極が断線したことで発熱をおこしていたが、そのまま気づかずに放置。
  • 放置期間は2〜3か月。 気づいたときの発電量はおおよそ20〜25%低下。
  • 保険にて自己負担なくパネルを交換し、破損前の発電量に回復。

電圧上昇抑制機能が働くと発電しているのに売れなくなる

トランス日本の家庭用電気の電圧は100Vと思っている人は多いと思いますが、電力会社から各家庭に常に100Vで送られている訳ではありません。(200V電源も存在しますが、ここでは分かりやすいよう一般的な100Vを例にいたします)。

電気を水道に例えると分かりやすいかもしれません。
多くの家庭が一斉に水道を使う朝夕の食事時などの時間帯に、水圧が下がって蛇口から出る水の量が弱くなるという経験をした人は多いかと思います。

水道局から供給される水道と同様に、電力会社から供給される電気も、多くの家庭が一斉に使うことで供給側の電圧が低くなったり、逆に電気の使用量が減ると電圧が高くなったりします。 しかし、あまりに電圧の変動が多いと、家庭で使う電気機器にも影響を及ぼしかねません。そこで供給電圧を100Vより若干高めにしておくなど、ある程度の幅をもたせて送電することで対応しています。電気の法律である電気事業法で、その範囲は101Vから±6Vと決めています。つまり電力会社は、95Vから107Vの範囲で各家庭に電気を供給しているのです。

さて、川の水が川上から川下へ流れるように、電気は電圧の高いところから電圧の低いところへ流れていきます。したがって太陽光発電など家庭でつくられた電気が電力会社の系統に流れていくためには、系統よりも高い電圧でなければなりません。そこでパワーコンディショナーが、電力会社の系統の電圧を検知して、それよりも高い電圧となるよう調節します。 (法律上、上限は107Vです)

ところが、パワコンが調節する電圧も、107Vを超えることはできません。そこでもし、系統の電圧が107Vに限りなく近かった場合は、パワコンの電圧を抑制する機能が働きます。その結果、状況によって長さは変わりますが電気が流れていかない状態、つまり電気が“売れない”状態になってしまいます。その状態になると発電も抑えられます。これが「電圧上昇抑制」がかかった状態です。

「電圧上昇抑制」が起こりやすいケース
このように電圧上昇抑制は、送られてくる電力と周辺の電力使用状況とのバランスが崩れることによって起こります。

そもそも系統電圧の調整は、電柱の上にあるトランス(変圧器)という機器で行われています。 電柱を見上げると必ず見つかると思いますが、グレーのひだが付いたポリバケツのような形のものです。1つのトランスで通常5〜10軒分の電圧を調節し、すべての家庭が95〜107Vに収まるように電圧調整をします。ところが地域・時間帯・周辺状況によって、まれに107Vまで電圧が上がったり超えている場合があるのです。典型的なのが、近くに工場があって、同じ電力回線を使用しているケース。工場で大量の電力を使用するため、その一帯は電圧が高めに調整されている場合が多いのです。電圧が高くても、平日の昼間は工場が電気を使うので、各家庭に流れる電気は107Vより低い電圧になります。 ところが工場が終わった直後の夕方や土日の日中は、工場が稼動していないので高い電圧の電気が流れるため、各家庭に流れる電圧も一気に高くなるのです。その結果、電圧抑制がかかってしまいます。

また、一定の地域に太陽光発電の設置件数が多くなると、電圧上昇抑制がかかりやすくなるともいわれています。平日昼間など、本来なら電気を大量に使うはずの時間帯に、各家庭がその電力を自家発電でまかなって、さらに売電も行うからです。電力会社からの供給に見合った消費が実際にはなく、バランスが崩れてしまうのです。

多くのメーカーが「電圧上昇抑制」が働いたとき、発電モニターやパワーコンディショナーの表示で確認できるようになっています。 ただし、設置者で「電圧上昇抑制機能」を理解している人は少ないため、現在では、太陽光等の受給電力契約を結んだ設置者に対し、中部電力では次のような説明書を送付しています。参考までにご確認ください。

中部電力が太陽光発電契約者に送付している「電圧上昇抑制」に関する説明書

説明書

中部電力が太陽光発電契約者に送付している「電圧上昇抑制」に関する説明書

説明書

この問題の解決が難しいのは、故障ではありませんからメーカー保証で対応してもらえませんし業者
の施工が悪い訳でもありません。 もちろんユーザーに非はありません。
電力会社も電気事業法の法律どおりにやっている訳ですから、責任を押し付けることもできないでしょう。

しかしわずかとはいえ、結局は設置者に不利益が生じることになるわけで、法律の整備が遅れていると
いえなくもありません。

その対策かもしれませんが、最近では太陽光発電の電圧設定を108Vとしています。電力会社が周辺への影響を検討したうえで、太陽光発電契約者、施工店に通知している数値になります。

電圧上昇抑制が起きている疑いがあれば、まずは販売店に相談することをお薦めします。機器の故障 ではありませんし、すぐに莫大な損害が発生する訳ではありませんので、過剰にあわてふためく必要は ありません。とはいえ、長く放置しておけば、せっかく生み出した余剰電力も無駄になり、知らぬ間に損害が膨れあがってしまう可能性もあるので要注意です。

電圧上昇抑制が起きている疑いが強ければ、まずは落ち着いて症状を確認し、最終的には電力会社に相談して調べてもらうことになります。電力会社では専用の計器を取り付けて、1週間ほど電圧の流れを測定し、この測定で規定を超える高さの電圧が計測されれば、電力会社は規定範囲の電圧で供給するよう設備を改善する必要があります。電力会社では該当するトランスの調整をし、それで済まなければトランスの増設もあり得ますが、ユーザーに費用負担が発生するようなことは基本的にありません。

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